漢詩家の雅号にもなった幻の里城

早良区有田にある福岡講倫館高校付近には、かつて小田部城(月城・堀内城)と呼ばれた里城がありました。

正門付近の様子。余談ですが今田美桜さんの母校です。

現在は有田宝満神社に案内板を残すのみで、痕跡はほとんど残っていません。案内板にも書かれていますが、漢詩家の松口月城の家が近くにあり、月城(げつじょう)という雅号の由来になりました。

落合芳幾作/大友義統

小田部城の築城者や築城年代と言った詳細は不明ですが、大内氏の支配時代にはすでに存在していたようです。1550年代半ば、近隣が大友氏の支配下になると、安楽平城主となった小田部氏の里城として利用されます。

大友氏が島津氏との勢力争いに敗れると、天正7年(1579)安楽平城は肥前国・龍造寺の軍勢に攻められ落城、共に小田部城も落城し廃城になったと伝えられています。

城の北端だった場所に建てられた西応寺。有田郷土史によると、初代住職は小田部氏の家臣の系譜で、いわゆる「荒平くずれ」のようですね。境内に「月城墳墓之碑」という石碑があります。学校建設時に発掘された、弥生時代の甕棺墓の霊を祀るために建てられたものです。

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