福岡の地理、地名、伝承などを記した地誌に筑前国続風土記があります。

1688年に福岡藩の学者・貝原益軒が藩の許可を得て編纂をはじめ、1709年、益軒74歳の時に4代藩主・黒田綱政へ上程されました。筑前国続風土記の続は、奈良時代に天皇に献上させた報告書「風土記」の続編という意味だそうで、大変な気合いが入ってたのでしょうね。

金龍寺にある案内板

30巻におよぶ大著で、1と2巻は筑前各郡の石高、戸数、人口など、筑前国の基礎データを記載。3巻は福岡城と城下、4巻は博多の町について、5~23巻は筑前16郡の村々の旧跡、寺社などについて書かれています。24巻~27巻までは国内の古戦場跡、29~30巻は生き物や食べ物についての記述です。

約20年の歳月をかけて完成した労作にも関わらず、藩から出版の許可は下りず、写本として広まったそうです。自国の情報を大っぴらにしたくなかったのでしょうか。現在は古書店で、いろんな人が写したものが販売されていたりします。値段はピンキリです。

藩に命じられて編纂したのではなく、自主的に書き上げた筑前国続風土記。福岡の歴史本を読むと、よく参考文献として挙げられていることからも、現代人への恩恵は多大だと思います。是非、原文で彼の熱意を受け止めたい気持ちはあるのですが、古文書を解読して読み進めるのは、根気がいる作業です。。。

国立公文書館 デジタルアーカイブから。


そこで中村学園大学のHPに活字版が公開されていますので、これを参考に益軒が「いちいち現地に赴いて記録した」という場所を、訪れてみようと思います。

国立公文書館の写真と同じ箇所ですが、これなら、わたしでも読めます!

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