明治の大建築家・辰野金吾が監修した建築物

天気が良かったので、ちょっと旧唐津銀行本店に行ってきました。
建物は1912年に竣工したもので、1997年まで佐賀銀行の建物として使用されていました。その後、保存修理などを経て2011年から一般公開されています。

旧佐賀銀行本店
県および市の指定重要文化財

旧唐津銀行は1885年に唐津の大商家が軒を並べる大石町に誕生します。石炭をはじめとする発展途上であった唐津に町のために根を張る銀行をという地元有志の熱意によるものです。初代頭取は若干26歳の大島小太郎で、父・義興は唐津藩の財政を一手に率い、明治には「魚会舎」を組織して漁民に資金貸付を行っていました。

唐津銀行は順調に発展を遂げ、1912年に現在の場所に新築移転しました。さらに1921年以降は県下の3行を吸収合併し唐津銀行は急成長しますが、世界恐慌などの影響を受けて、1925年末をピークに経営が悪化。1955年には佐賀興業銀行と合併し、佐賀銀行唐津支店となり、1997年まで営業していました。

建物内の展示は唐津銀行よりも、設計者や建物の紹介が多くを閉めます。設計は唐津出身の辰野金吾に設計を依頼。実際の設計は辰野の監修をうけながら弟子の田中実が手がけました。

入口にある辰野金吾の像。東京駅や日本銀行本店などの建築を手がけました
棟札
建設当時の暖炉、鏡

現在の建物は音楽ライブの会場やレンタルスペース、結婚式の前撮りなど、多種多様に利用されています。