石になって添い遂げた和製ロミオとジュリエット

福岡市西区愛宕山の麓に蛇岩と呼ばれる、大きく浸食された砂岩があります。粘土質の層が浸食されたのに加え、無数の穴が開いている様子が蛇の斑紋のようにみえるので「蛇岩」とか「蛇石」と呼ばれるようになったそうです。

別名・姪浜石とも呼ばれよく採掘されていました。

この蛇石には少し悲しい伝説があります。

昔々、愛宕山を挟んで竹浜と宝来という、酷く仲の悪い集落が2つありました。縁組などとんでもなく、交流するだけで厳しい罰をうける決まりがありました。ある日のこと、竹浜の娘が山で花を摘んでいると、猟の途中で怪我をした宝来の若者に出会います。娘は介抱するうちに愛情が芽生え、お互いの村の掟を破って恋仲になりました。二人の関係は、すぐに発覚してしまい、掟を破った二人は、村人たちによって簀巻きにされて海に投げ込まれてしまいました。二人は海中で二匹の大蛇となって甦り、愛宕山の麓で石になりました。それから、夜になると決まってこの岩から二人が名前を呼び合う声がして、岩は二匹の蛇が仲むつまじくしているように見えるようになりました。それをみた村人たちはいつしか争いを止めるようになりました。

早良区のむかしばなし

地域に伝わるむかしばなしですね、久しぶりに「日本むかしばなし」みたくなりました。

2匹の大蛇が横たわっているようにみえる。
岩質は柔らかく加工しやすそうです。
参道の真横なので岩が発掘されずに残ったらしい。

場所は鷲尾愛宕神社の西側参道鳥居の真横になります。案内板もないので、いわれないと素通りしてしまいますね。自治体の関係者様、せめて案内板だけでも設置お願いします。貴重な観光資源だと思いますよ。

姪浜石の発掘跡だろうか?

帰りに山肌が大きくえぐれている部分をみかけました。おそらく石材を取り出したのでしょうね。愛宕山からとれる姪浜石は、砂岩の特徴で色が美しく採取が容易で、価格も安く都心に近い事から運搬も手間がかからなかったので、建材や石垣として人気だったそうです。

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