それは長崎から始まった
長崎の街を歩いていると、数多くの記念碑が目に入ってきます。有名な亀山社中跡から日本最初の缶詰製造地跡まで多種多様。その中から今回は3つの発祥の地を紹介します。
鉄道発祥の地
国内初の鉄道の正式開業は1872年10月の新橋駅~横浜駅間ですが、なんと、その7年前に長崎で蒸気機関車が走りました。もちろん営業運転ではなく、イギリスの商人トーマス・グラバーが鉄道を日本に売り込むための宣伝として運行させたものです。
長崎電気軌道の市民病院前電停(長崎市新地町)の付近から南西に向かって約600mの線路が敷かれ約1カ月間、試乗運転が行われました。現在、市民病院前電停付近には記念碑が建っています。
国際電信発祥の地
グラバー園近くにある長崎全日空ホテルの敷地に「国際電信発祥の地」「長崎電信創業の地」の石碑が建っています。電信は文字や符号を送受信する電気通信のことです。デンマーク系の電信会社がロシアのウラジオストクから長崎へ海底ケーブルを敷設し、1871年に開通しました。これによりシベリア経由で、欧米まで通信が可能となりました。岩倉使節団は、同年11月に欧州から不平等条約の改正交渉の状況を、この回線を使い報告しました。
近代活版印刷発祥の地
長崎消防局の近くに近代活版印刷発祥の地の石碑があります。日本の近代活版印刷の祖・本木昌造が1869年、この場所で新町活版所を開いたことを記念して建てられたものです。本木はオランダのインデマウルから活版印刷の技術を修得し、日本文字の活字鋳造に成功。日本の活字印刷技術を大きく進歩させました。
長崎には発祥の地のほか、伝来の地がたくさんあります。これからも街を散策して通りがかった時には紹介したいと思いますので、お楽しみに。