まちの一角にひっそり佇む、日韓交流の原点
アニョハセヨ。引き続き今回も釜山のレポートです。

釜山鎮城の丘を下りたところにある朝鮮通信使歴史館に行ってきました。途中、楼閣・永嘉台が現れます。朝鮮通信使の一行もこの場所から日本へ向かう船を見送ったと言われます。

館内の展示で目にとまったのが、この行程図。赤い線がずっと日本列島を縦断するように伸びています。「本当に徒歩でここを行ったのか…」そう思わずにはいられないほどの距離。それでも、江戸の町では人々が沿道にあふれ、通信使を歓迎したそうです。

こちらは行列を描いたイラスト。朝鮮王朝の使節を中心に、護衛、楽団、荷物持ちなどが続いています。

歴史館の入口に着いて最初に思ったのは――「閉まってる……?」
重々しい扉がしんとしており、まるでお休みの日のような雰囲気。

恐る恐る横のスイッチを押すと、ウィーン…と扉がスライドして開きました。思わずほっと一息。

中に入ると、受付のおばちゃんがとても親切。言葉が通じなくてもニコニコと案内してくれました。展示は想像していたよりずっと好意的で、「朝鮮通信使は平和と文化を届ける使者だった」という視点でまとめられています。
地元の親子連れも訪れていて、単なる歴史館というより地域で愛される小さな学びの場という印象でした。