福岡市早良区内野の西光寺には、1954年に国宝に指定された梵鐘があります。
製作年は839年で、年代が刻まれた鐘としては国内で5番目に古いものです。
島根県の金石寺(廃寺)で製作され、同県の多福寺を経て、松江の金物屋に売却されたそうです。一説には出雲大社の新宮寺にあり、出雲の尼子氏の臣で山中鹿之助幸盛の陣鐘になったとか。
鐘は明治22年には大阪の商人の手に渡ります。そのころ西光寺の住職が、梵鐘を求めて大阪を訪れていました。住職はこの鐘を気に入り、360円で購入。船で博多に運ばれ門信徒の手で寺に納められたました。
1957年に本堂南側の丘に鉄筋コンクリートの鐘楼を建設。ガラス越しに薄緑の緑青に彩られた鐘の姿が確認できます。
鐘の音か聴きたい方は、こちらの動画から。※福岡市の公式動画を引用。