地域に伝わるうさぎの恩返し
龍王うさぎという姪浜の民話があります。姪浜駅南口のモニュメントは、この民話を元に作られたものです。
その昔、宋(中国)の国で学問を修めた大応国師という僧が帰国の途中、雪深い山の中で狼に追われていたうさぎを助けて船に乗りました。玄界灘で船が暴風雨に遭い、いまにも難破しそつしなったとき、そのうさきが荒れる海に身を躍らせました。すると荒波がピタリとおさまって、大応国師の一行は無事姪浜の港に帰ることができました。ほっとして空を見上げるとろさぎがきらきらと金色に光り輝いて、空高く舞い上がったかと思うと、やがて龍王の姿となって天に消えていったのでした。
龍王うさぎの伝説
住吉神社ではウサギが神使とされていますが、姪浜にも住吉神社があるし、地域の民話ということで何か関係しているのかもしれませんね。
そしてなんとこのうさぎが龍に代わって天に消えた現場が姪浜にあるそうです。
では早速、現場のある唐津街道の姪浜宿へ。
龍王うさぎ伝説の場所 龍王館
宿場の西入口付近にそれらしき看板発見!しかしこれは分かりづらいなぁ。
路地を奥に入っていくと、アパートと民家の隙間に広場のようなスペースがあり、奥にそれらしき祠がありました。名称は館となってますが吹きさらしですね。
残念ながら鍵が閉まっていて中を見る事はできません、祭事の時に開くようです。
龍王うさぎの物語に出てくる大応国師は実在の人物で、南浦紹明(なんぽしょうみょう)という鎌倉時代の臨済宗の僧侶です。南宋から帰国した後、姪浜に興徳寺を開いて禅の教えを広めました。