商人の町・博多の新春はここから
十日恵比寿神社の正月大祭へ行ってきました。商売繁盛の神様として知られる恵比寿様を祀ったこの神社では1月8日から11日までの4日間・正月大祭「十日えびす」が開かれます。博多の町で商売をする経営者のほとんどがお参りに来る為、例年1時間近く並ぶのですが、去年からコロナの影響で縮小開催されている為、今年はほとんど行列がありませんでした。
十日えびすの楽しみの一つ、縁起物があたる福引は、今年は混雑を緩和するために正月大祭期間以外の日にずらしてやるそうです。当たりくじを読み上げる声が威勢のよい掛け声と、太鼓がないのは寂しい限りです。例年だと参道には露店が立ち並び、ソースや焼き鳥の香ばしい香りが漂っているのですが、今年は露店の出店もなく閑散としていました。皆さん粛々とお参りだけを済ませています。
こちらの神社の由緒は、太閤秀吉の治世までさかのぼります。香椎宮と筥崎宮に参拝した帰りに、浜辺通りで恵比須像をみつけ、自宅にお祀りしたところ、商売繁盛のご利益を得たので、翌年正月十日に恵比須様を拾った所に社殿を建てのがはじまりだそうです。祭神は「えびす様」こと事代主大神です。そしてその父神にあたる「だいこく様」こと大国主大神を、出雲大社から御分霊を迎えて合祀されています。
通常は福笹といわれるお札のついた笹をもらって、縁起物の福引を引いて縁起物を持って帰るのが一般的な流れです。一度大変大きな縁起物を引き当ててしまい、バイクで来ていたので難儀した経験から今は年中祈願とえびす銭だけいただいて帰っています。えびす銭は元手にご加護を受け、御礼として借りたお金を倍にしてお返しし、また新たにお借りするという習わしです。最初の年に200円納めて、以降は借りたお金を返してまた新しく借り受ける事を繰り返します。
コロナの影響か、あまり手水舎を使っている人がいませんでした。中央には恵比寿様のトレードマーク鯛があります。
地元企業からの協賛は圧巻です、提灯をみながらどこの会社が出しているのかな?とかみるのも楽しいものです。今年は三味線、笛、太鼓の音にのって、博多券番の綺麗どころが裾ひき姿で華やかにお参りするかち詣りも中止になってしまいました。早くコロナが収束して、元の活気ある大祭に戻ってほしいですね。