お姫様の悲しい伝説が残るお社

浮島稲荷神社へやってきました。閑静な住宅街の中にある小さな神社です。

この周辺、実は水が湧き出る穴が7つある湿地帯で「七つ釜」と言われていました。そして現在でも境内に池が残っています。

片葉の葦
 昔、浮島稲荷神社の裏側一帯は、萱や葦が密生した湿地帯で、別名「七ッ釜」といわれていた。川越城が敵に攻められ落城寸前に、城中から姫が乳母と逃げのび、ようやくこの七ッ釜のところまでやって来たが、足を踏みはずしてしまった。姫は、川辺の葦にとりすがり岸にはい上がろうとしたところ、葦の葉がちぎれてしまい、葉をつかんだまま水底へ沈んでしまった。それ以来この辺の葦は、この姫の恨みによってどれも片葉であるといわれている。

川越城七不思議

さらに境内には、七不思議伝説の舞台であることを示す石碑が建立されています。

さて、手水舎で清めてお参りしましょう。

浮島稲荷神社 社殿

悲しい伝説の残る池に沿って参道があります。しかし、本当に湿地帯で水が豊富ですね。

現在ある社殿は大正4年に改築されたものです。しかし創建自体は不明とのこと。

太田道真が川越城を築城した際に勧請した説や、喜多院を開いたときここに移された説など諸説あるようです。

昔は一面葦がお生い茂り、遠くから見ると神社が島の様に浮いていることから「浮島稲荷神社」と呼ばれるようになったそうです。

こちらは神社によくある、何が書いてあるかわからない漢文石碑。

地元では「浮島様」とか「浮島さん」と呼ばれ親しまれています。そして境内には公園も設置されていて、遊べるようになっていました。