移築された江戸時代の貴重な庄屋住宅
旧藤瀬家住宅へやってきました。平原歴史公園内に糸島市神在から移築されたものです。
平成十二年まで実際に使用されていた家屋で、藤瀬家は糸島半島内にあった中津藩の飛び地で庄屋を務めていた家柄です。
元文二年(1737)に建てられたもので、建設年明らかになっているものでは、実は九州最古の建築物です。
江戸時代中期の建築物は、文化遺産として後世に遺すべきだということでこちらに移築されました。
では中へ入って見学しましょう。まずは土間です。
大戸口をくぐってすぐの広い空間で、来客の応対や様々な用途に使われていました。
また、奥には竈もあり炊事場の役目もあります。
土間で上を見上げると建物の骨格がわかります、立派な梁(はり)と桁(けた)ですね。
次に靴を脱いで広間に上がります。最も大きな部屋で食事をしたり接客をしたり、生活の中心になる場所です。
広間には炉が置かれて、お湯をわかしたり鍋をつるしたりする事ができます。
そして、こちらは押板。掛け軸などを掛けるスペースです。
奥行きはほとんどありません、人がやっと立てるくらいですね。
旧藤瀬家住宅 お玄関
実はこちらの家には入口が二つあります。一つは普段使いする大戸口。
そして、もう一つは役人など大事な来客を迎える為のお玄関です。
江戸期の建築はこのように、身分で入口を使い分けられるように二つ入口が用意されている事が多いですね。
さらに奥には、大事な来客の応対や冠婚葬祭に使われたお座敷があります。
こちらのお家は一応二階というか、屋根裏のようなお部屋もありました。
おそらく物置的な使われ方をしていたのでしょうね。
納戸です。最も奥に位置して寝室になる事が多かったようです。
実際に立ち入ってみると、結構狭く感じました。
最後に全体像です。庄屋家屋としてはそこまで広くはありませんが、立派な造りです。
現在こちらの住宅は、糸島市指定文化財に登録されています。