天如塔とからゆきさん

天気が良かったので、ちょっと弁天山大師堂に行ってきました。

入口が分からず、お目当ての天女塔が少し顔を出していたのを頼りに歩きました。弁天山大師堂がある、この地はかつて松島と呼ばれ、宗像社と弁財天を祀る島だったそうです。それが1792年の島原大事変で眉山が崩壊したことで周りが埋まり、小山となったのが、ここ弁天山です。

なんとなくこの方向かなと

正規ルートではないかもしれませんが、着実に近づいています。

塔が見てきた

到着です。この弁天山に1900年、廣田言証師が理性院(大師堂)を開きました。その後、言証師は東南アジアを巡拝して回り、大理石の釈迦如来像を奉持して帰国。1909年に天如塔を建て、この釈迦如来像を奉納したそうです。

この塔の建設には「からゆきさん」と呼ばれる女性からの浄財が使われました。明治から昭和初期に、島原半島や熊本県天草地方の貧しい家庭の娘さんが外貨獲得のため、東南アジアに売られ、彼女らはからゆきさんと呼ばれました。

廣田言証師は東南アジアへの巡礼先で、異国の地で死亡した彼女たちを供養していきます。その行いが各国のからゆきさんに知られ、天如塔建設への寄進となりました。

塔の周囲には寄進者192人の名前、居住地、金額が掘られた無数の玉垣がありました。

不動明王、八幡菩薩、普賢菩薩、千手観音菩薩、勢至菩薩、虚空蔵菩薩、大日如来、文殊菩薩の8体の石仏が塔を囲うように建てられており、優しく見守ってくれているようでした。

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