宿場町の火災防止目的で建立された地蔵尊

前原駅近くの火伏地蔵尊へやってきました。江戸時代に前原宿を焼き尽くす大火が起こった為、宿場の火災を防ぐ目的で建てられた庵です。

では、中へ入ってみましょう。この地蔵尊では前原の夏の風物詩・前原山笠が行われます。

前原山笠

9つの行政区(老松町・筒井町・前原西町・北本町・南本町・北新地・前原東町・上新町・上町)がそれぞれ山笠を出し、7月24日は火伏地蔵、25日は老松神社に山を奉納します。

祭りの為か、庵の大きさに対し、境内はやや広めに作られているようです。

元々は宿場近くの郵便局の所にあったようですが、都合により現在に移転したと縁起にあります。

火伏地蔵尊

神社と同じような形でお参りできますが、拝観はできませんでした。筑前国続風土記拾遺によると観音様もあるようですが、中にいらっしゃるのかな?

前原村
町の東口に地蔵庵といふあり。主禜山壽福寺と號す。怡土郡雷山村仲ノ坊に属す。本尊ハ火伏の地蔵といふ。観音佛もあり。

筑前国続風土記拾遺 巻之四十五 志摩郡下

このお地蔵様の庵が建てられた後は、前原宿には大きな火災が起きなかったそうです。

霊験あらたかな火難除けのご利益にあずかろうと、山笠奉納の日には多くの参拝客で賑わいます。