背振の山あいに残る石の橋
佐賀県神埼市。山あいの川に架かる「背振の眼鏡橋」は、明治9年(1876)に完成した石造二連アーチ橋です。

県内でも最古級の二連アーチ橋で、2004年には「土木学会選奨土木遺産」にも認定されました。
水音に抱かれて
橋の下を流れる背振川は、水が滝のように落ち、虹がかかっていました。

石のアーチと水しぶきの響きが織りなす光景は、訪れる人の心を澄ませてくれます。
架橋当時の刻印
橋のたもとには「明治九年」と刻まれた石柱が残っています。

およそ150年前、背振の山里に近代の道を拓こうとした人々の思いが、今も石に刻まれていました。
緑に映えるアーチ
木立の間からひっそりと姿を見せる石のアーチ。背振の自然と調和した眼鏡橋は、ただの交通路を越え、山あいの景観そのものになっています。背振の眼鏡橋は、全長22メートルあまりの石造二連アーチ橋。かつては人や荷車が往来し、地域の暮らしを支えてきました。

いまは散策の人々が足をとめ、水音と緑に包まれてその姿を眺めています。明治の石工たちの技と志は、静かな山里の空気の中に、確かに今も生きていました。