―― ナビの先は森、そして横穴式石室。最後に待っていたのは……

勝山古墳群を訪れたのは、福岡県みやこ町。ナビに従って車を降り、歩き始めたのですが……。正直に言います。不安しかありません。

ナビどおり進むと、突然「森」です。道は次第に細くなり、気がつくと周囲は木々に囲まれていました。「え、ここ?」と思わず立ち止まります。

案内板も、説明板も見当たりません。資料も手元にはなく、あるのはナビ情報だけ。森、森です。本当にこの先に古墳があるのか、半信半疑のまま、とにかく歩を進めます。

しばらく進むと、斜面に違和感のある石組みが見えてきました。

「あ……ここかしら……」

盛土が崩れ、石が露出したような地形。自然の岩にしては、どうも整いすぎています。近づいてみると、やはり――横穴式石室でした。

入口から中をのぞくと、内部は完全に闇。ライトを照らして、慎重に一歩ずつ進みます。私は蛇が大の苦手です。古墳内部に入るときは、いつも以上に警戒します。ただ、この日は12月中旬。気温は10度ほどで、「この寒さなら大丈夫だろう」と、少し安心していました。

……その油断がいけませんでした。


目の前に、まむし

ライトの先、視界に入ったのは――あの、まむし。

一瞬、声にならない声を上げそうになりました。本当に、かな切り声寸前です。写真?撮れるわけがありません。心の中では「無理無理無理無理」が高速でリピートしていました。

ここで、取材終了です

もう、ここで終了です。それ以上、中に入る気にはなれませんでした。噛まれたら大変です。入院です。取材どころではありません。これから冬を迎え、「古墳取材のシーズンだな」と張り切っていましたが、もう古墳の中には入りません。外から眺める。これが、今後の基本スタンスです。

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投稿者

arahira

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