肥前鍋島家発祥の地

佐賀県佐賀市にある 御館の森(おたちのもり)にやってきました。こちらは佐賀藩主・鍋島家のルーツと深く関わる場所として知られています。

御館の森は、その名のとおり、かつて「御館」と呼ばれる館が存在したと伝えられる場所です。この館は、後に佐賀藩主家となる鍋島氏の祖先が拠点とした地であり、鍋島家発祥の地と語られる所以でもあります。

鍋島家は中世に、長岡京から肥前に下向して、土着化していったと考えられています。中世以降の肥前は、少弐氏や龍造寺氏といった有力勢力が覇権を争う地域であり、鍋島氏もまた、そうした動乱の中で力を蓄えていきました。

特に知られるのが 鍋島直茂 の存在です。直茂は戦国時代を生き抜き、龍造寺隆信に仕えながら実力を伸ばし、主家滅亡後は肥前国支配の中心人物となっていきました。

Miura Shisan 三浦子サン (?–1794) – https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/173771/1

鍋島直茂、そしてその子・鍋島勝茂 の代に、鍋島氏は大名家としての地位を確立します。関ヶ原の戦いを経て、江戸時代には佐賀藩主として肥前国佐賀を治め、以後明治維新までその地位を保ちました。

不明 – Nabeshima Chokokan Museum, パブリック・ドメイン

御館の森がある佐賀城下周辺は、低地と水路が発達した土地で、農業と交通の要衝でもありました。この地に館を構えたことは、防御や生活の面でも理にかなっていたと考えられます。

のちに佐賀城が築かれ、城下町が形成されていく流れを思えば、御館の森周辺は佐賀という都市の原風景ともいえる場所ですね。

現在の御館の森には、往時を直接伝える建物は残されていないため史跡としての派手さはありませんが、田園の中にポツンと残された空間に立つと、鍋島家がまだ一地方武士であった時代が垣間見える場所でした。

投稿者

mokudai

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