農村を潤す知恵の遺産

佐賀県神埼市には、全国的にも珍しい「三連水車」が今も稼働しています。城原川の大井手堰から取水した用水を利用し、複数の大きな水車が並んで回る姿は迫力満点です。

明治30年頃にはこの地域に60基もの水車が設けられ、精米や製粉のほか、農業を支える動力源として幅広く活用されていました。電力の普及とともに姿を消しましたが、町と住民の手によって復元され、今は夏から秋にかけて観光資源としても親しまれています。

水車の里には精米所も残され、建物ごと保存公開されています。

内部には木製の精米装置や石臼が展示されており、往時の農業と暮らしを伝える貴重な資料館のような存在です。水車と歯車を通じて人々の生活が動いていたことが実感できます。

こちらが神埼のシンボル「三連水車」。三つの大きな水車が並んで回転する姿は圧巻で、田園の風景とともに訪れる人を魅了します。

「水車の里」全景。看板とともに大水車がそびえ立ち、訪れる人を迎えてくれます。

施設内には単独で稼働する大水車もあり、裏手から見ると力強く水を受けて回る様子が間近に観察できます。
実際に回る三連水車の迫力は、動画で見るとより伝わります。
三連水車群がある「水車の里公園」は、国道34号線から近く、JR神埼駅から車で約10分。夏の青々とした田園風景とともに楽しめる観光スポットとして人気です。