高祖山にあった中国式山城

天気が良かったので、ちょっと怡土城跡に行ってきました。
怡土城は高祖山(標高416m)の西斜面にたすき状に構築された奈良時代の山城です。古代の山城ですが築城年と築城者がはっきりと記録されているのが特徴で、吉備真備と佐伯今毛人が756年から約12年の歳月をかけて完成しました。筑前國続風土記にも怡土城のことが記録されています。

怡土城は朝鮮半島の新羅への備えとして築かれました
現在地から第5望楼~第1望楼まで登ります
現在地

怡土城はたすき状に城郭を形成しており、この点で中国式山城に似ている点も特徴として挙げられます。これは遣唐使として中国に渡海し、兵法に長けた吉備真備の存在が背景にあるとされています。

首塚
5分ほど進むと第5望楼跡に到着

望楼とは遠くを見渡すための櫓のことです。遺構としては望楼のほか土塁が確認されていますが、肝心の城郭内の施設などは分かっておらず、今後の調査が待たれます。

第4望楼跡
第3望楼跡
第2望楼跡
第1望楼跡まで、あとひとがんばりです

廃城年代は不明ですが、築城から4百数十年後に、この地で威を張っていた原田種直が怡土城の一部を再利用して高祖城を築城しました。一度も実戦で使用されなかった怡土城ですが、このことから軍事施設機能として優れていたと考えられます。

第1望楼跡に到着です
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