筑前国続風土記探訪、第1弾は油山です。
ハイキング、キャンプ、自然観察など福岡市民にとってはなじみ深い憩いの場ではないでしょうか。市内を一望できる夜景スポットでもありますが、風土記には「山上に登臨すれば、臺岐對馬其外の遠所迄よく見ゆ」とあり、当時から眺望がひらけていたのでしょうね。
油山市民の森を代表に、いくつも登山口がありますが、今回は片江展望台から山頂を目指しました。
風土記では「清賀と云る僧此山に住し、胡麻を多く作り油を搾りて、怡土郡諸寺に遣しける。依之油山と云」と山名のおこりを説明しています。麓には西油山村と東油山村があり、多くのお坊さんがいたそうです。村人は樒の皮と葉を採取して抹香として城下まで売り歩き、家計の足しにしたとか。
40分ほど歩くと妙見岩が現れました。かつて干ばつの時に、雨乞いをした場所だそうです。雨乞いは、お坊さんの仕事なので、お願い先には困らなかったかも。妙見大菩薩が祀られていたそうですが、今は岩だけが残っています。
さらに30分ほど進むと國見岩が見えてきます。岩の上からの眺めが良さそうなので、登りましたが想像以上に断崖絶壁でした。無為に岩上に立った事を後悔しました。。。よく見ると岩の幅が狭く、少し滑ったら真っ逆さまです。
案内版に黒田の殿様がここから市街地を眺めたとありますが、おそらく岩には登ってはないと思います。。。お付きの者が制止するでしょう。風土記には、黒田公の事は書かれていません。
國見岩から10分ほどで山頂に到着します。眺めは絶景です。