脇街道に設置された見張り番所

 桃川御番所は唐津と塚崎を結ぶ塚原往還に設置された関所で、武雄市と伊万里市の市境付近にあります。塚原往還は長崎街道の脇街道の位置づけになります。福岡藩主や唐津藩主も長崎へ赴く際には塚原往還を利用していました。

県道38号線沿いにあります
佐賀藩桃川御番所と記された冠木門

冠木門の奥にある木碑には桃川口留番所跡とあります。これは裏街道や脇街道に設置された比較的規模の小さい見張り番所は「口留番所」と分類されていました。江戸幕府は諸大名が許可なく関所を設けることを禁じていましたが、関所機能が必要な場所には関所の名称を避けて番所という形で設置していました。

この番所跡は平成24年に復元されたもので、敷地内には佐賀藩領と唐津藩領との領界石も建立しています。もともと付近にあったものを、この場所に移設したそうです。領界石には「従是南佐嘉領」と刻まれていますが、経年で判読しづらくなっています。

領界石