福岡市内唯一の黄檗宗寺院
千眼寺は元禄11年(1689)に、天祐海信によって開山された福岡市で唯一の黄檗宗の寺院です。
黄檗宗は日本の三禅宗のうち、江戸時代初頭に明朝復興の願いに始まった一宗派で、比較的新しい宗派です。
門をくぐるとすぐに、飢饉地蔵様がいらっしゃいました。福岡市内にはお寺のどこかにお祀りされている事が多いです。
中村ハルさんなど、地元の著名人の方の名前が彫られた石碑。
さて、山門をくぐってお寺に入りましょう。
お寺の中は広々とした庭が広がり、石畳が本堂まで続いています。
大悲山 千眼寺 本堂
非常に立派な本堂、どことなく造りが中華風を感じます。
黄檗宗といえば長崎の三福寺が有名ですが、こちらも負けず劣らず立派な伽藍です。
それでは、本堂にお参りしましょう。
筑前国続風土記拾遺には本尊に関する記述があり、唐佛なりとあります。つまり、御本尊の釈迦如来は中国からもたらされたものです。
そのせいか、細部のデザインも中国の影響を受けていますね。
さらに奥へ進むと慰霊碑がありました。
そして、本堂の隣には納骨堂でしょうか?
こちらのお寺は全体的に綺麗に清掃が行き届いていて、特に庭の砂模様は凄い。
また、庭の端には藤棚まであります。
帰りがけに気付きましたが、瓦に黄檗宗の黄の文字がデザインされています。
筑前国続風土記附録では、紅葉八幡宮の図解の左上に唐津街道を挟んで千眼寺が描かれています。この辺は唐津街道と三瀬街道が交わる交通の要衝で昔から賑わっていたようです。