湖畔から出土した平安時代の瓦窯跡
斜ヶ浦瓦窯跡(ななめがうらがようあと)という看板をみつけました。実はここ、昔の農業用溜池を再整備して公園として利用している場所です。
周囲の環境が住宅地として整備されてからは、農業用水の必要がなくなり、地域の人の憩いの場として活用されています。
そんな公園のウォーキングコースの一角にある看板。しかし、なぜかフェンスの内側にあるので読みにくいです。
では、早速その窯跡になっている現場を見に行ってみましょう。
それにしても、綺麗に整備されていて風情のある公園ですね。秋には名月を鑑賞しながらのコンサートなども開かれているそうです。
斜ヶ浦瓦窯跡
さて、こちらが斜ヶ浦瓦窯跡です。ちょうど斜面になっている部分ですね。最初に西側で瓦が採集されて以来、現在まで8基以上の窯が発掘されました。
これまで「警」「警固」「伊貴作瓦」銘の瓦が出土しており、鴻臚館の出土の瓦との酷似していた為、鴻臚館の瓦を焼いた瓦窯である可能性が高まりました。
太宰府市来木瓦窯跡、安楽寺等の出土例とも類似している為、研究者の間では非常に注目されているようです。
その結果、遺跡の重要度から窯跡部分での公園整備は中止して、遺構は慎重に埋め戻して保存され、将来に託されることとなりました。
研究が進んで、鴻臚館との関係性が証明されれば、注目を集める事になりそうですね。