油比の殿川と呼ばれる井戸が、油比神社の参道脇にあったので寄ってみました。

まず神社の鳥居を出ます。そして右手に目を向けるとすぐにみえます。実は十六世紀頃には油比氏の館がこの周辺にあり、その頃から存在していたようです。

筑前国続風土記拾遺にも、こちらの井戸に関する記述がみられます。

油比村
村中田の傍に清泉あり。里民殿川といふ。水清渕にして洛東の吉水に同しき甘泉也。

筑前国続風土記拾遺 巻之四十五 志摩郡下

糸島市の指定名勝になっているそうです。志摩郡三良水の一つといわれて、最近まで簡易水道の水源としても利用されていたと書かれていますね。

油比の殿川

この井戸の周辺は、油比氏居館の入口付近で重要な場所だったようです。

さて、肝心な井戸は現在も綺麗な水がコンコンと湧いているので、まだ現役の様子ですね。

ゴミが入らないように覆いと、そして水を汲むための柄杓なども用意されています。

実は真正面には公民館があるので、寄合の帰りなどに水を汲んで帰る人もいるのかも。

古城跡で井戸はよくみかけます。しかし、現役で使用されている井戸は珍しいですね。