城内で唯一江戸時代から同じ場所にある多門櫓
福岡城内を巡っています。前回の記事はこちらからどうぞ。さて、目的の多門櫓に着きました。嘉永6年(1853年)に改築を行ってから、その姿を変えていない櫓です。
増築されてはいますが、築城時からずっとここに建っていて場所は変わっていません。
訪問した日は内部を特別公開している日でした。年に何回かイベントがあると内部が公開されています。
入口のボランティアガイドの方に挨拶をして、靴を脱いで内部へ入りました。
同じような造りの部屋がずっと南の方へ続いています。奥の平櫓は桁行30間の一重櫓切妻造で、内部は16の部屋に分かれています。
そして北側にある隅櫓は二重二階建切妻造で、昔は南丸の南側と連結していたそうです。中の梁も江戸期に建てられたものとは思えない位しっかりしています。
この櫓は高さ9mの石垣の上に建っていますが、鉄砲狭間や石落としなどの防御設備がついています。
こちらが鉄砲狭間、押し寄せる敵を狙い撃ちできるようになっています。
中を覗いてみると、それほど離れていないのでかなりの精度で命中しそうです。
こちらは石落とし。この高さから石が落ちてきたら、当たれば普通に大怪我しますね。
かきわりの兵士がいました。
ガイドさんの話では、大雨が降ってもこの中には一切雨漏りがないそうです。昔の大工さんはよほど腕が良かったのでしょうね。
黒田家の家紋が入った瓦、当時のものがそのまま展示されています。
南側から北側をみた感じです。同じ大きさの出入口が続いているので、合わせ鏡をみたいような錯覚に陥ります。
平時は倉庫として使用されていたとのことで、部屋によっては狭間しかない部屋もあります。
外に出てきました。先に見えているのが南側の隅櫓です。平櫓と南の隅櫓が築城時から場所が変わっていない櫓になります。
多門櫓は昭和46年に重要文化財に指定され、それを契機に昭和47年から3年かけて解体修理が行われました。では、次はいよいよ天守台へ向かいましょう。(つづく)