幕末の志士達が出入りした老舗茶屋

太宰府参拝といえば切り離せないのが、名物・梅が枝餅。小豆餡を薄い餅の生地でくるみ、梅の刻印が入った鉄板で焼く焼餅で、参道にはいつも餅を焼く香ばしい匂いが漂っています。

梅が枝餅を提供しているお店は、参道や境内に無数にあるのですが、個人的に僕が好きなのは松屋さん。

西鉄太宰府駅から参道に入ってすぐ右手の所にあります。御茶屋さんの隣ではお土産物屋さんも経営されているようですね。

この松屋さん、実は江戸時代には旅籠を経営されていて、なんと薩摩藩の定宿に指定されていました。ということはですよ、幕末に活躍した薩摩の志士達も当然こちらに宿泊しているのです。

3階建ての風格ある建物の2階部分は江戸末期、3階部分は明治13年に建て増しされたのものです。参拝と取材で歩き疲れたので、早速中へ入って注文します。

一番人気らしい抹茶の梅が枝餅セットを頼みました。店内を見渡すと、松屋さんに残っている手紙などのレプリカが飾られています。

こちらは平野國臣大久保利通(一蔵)の書簡です。早速ビッグネームが出てきました。

実はこの宿、安政の大獄で西郷隆盛を頼って薩摩に向かう途中の月照上人をかくまった事でも有名です。なので、月照上人と西郷隆盛(吉之助)の書簡もあります。

手紙をみていると、すぐに梅が枝餅が運ばれてきました。季節の花を添えてくれている心配りが嬉しい。

諸説ありますが、左遷されて気落ちしていた道真公が太宰府にやってきた際、安楽寺の門前で餅を売っていた老婆が、元気を出して欲しいと道真に餅を献上したのが始まりと言われています。以来、道真公はこの餅が好物になったそうです。

中庭が開放されていて、お客さんは自由に見学する事ができます。庭に出てみると、江戸時代の建築物だという事が分かりますね。

手水鉢が風情があって良いのですが、なぜか洋風のテーブルセットが沢山。これは和風で統一して欲しかった。

奥へ進むと井戸がありました。幕末の志士達もここで顔を洗ったり、身体を拭いたりしたのでしょうか。

さらに奥には小さな祠がありました。志士達は長い旅路の無事を祈ったのかもしれません。

お茶と御餅で一息入れて、中庭をまったりと散策したら元気がでてきました。

インバウンドでかなりお客さんが多かったのですが、店内に入りきれない時は中庭で食べてもらうのかな?

幕末好きな方は是非おすすめしたいスポットです。

投稿者

mokudai

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