いまも静かに現役の、石のアーチ

荒尾市の市街地から少し離れた府本川(ふもとがわ)沿いに、ひっそりと石の橋が架かっています。

江戸末期に築かれた石造二連アーチ橋で、完成年には諸説がありますが、文久年間(1861〜1863)に架設されたと伝えられています。いまも生活道路として使われていることに、ちょっと驚かされました。

近くまで歩いていくと、アーチの美しさがよくわかります。大小の石がぴったりとはめ込まれ、たわむことなく二つの円弧を描いていました。川の流れはゆるやかで、反射した光が橋の裏側で揺れています。風も気持ちよくて、ついその場に腰をおろしたくなります。

橋のたもとには、少し古びた石碑が立っています。文字は風化していますが、長く地域の暮らしを支えてきた証のように見えました。

橋の下にくぐって見上げると、また違う表情があります。積み石の隙間からシダがのぞいていたり、石肌に水がしみ込んで黒く光っていたり。陽の差し込み方によって景色が変わり、見ていて飽きません。200年近い風雨にさらされながらも現役で使われている姿には、地域の人たちの丁寧な暮らしがにじんでいました。

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