他藩に先駆けて設立された英学教育機関
長崎の街を散歩していると到遠館跡の石碑がありました。到遠館は佐賀藩が他藩に先駆けて設立した、英語の専門教育機関です。
遣米使節に参加した藩士より、英学の必要性を建言された藩主・鍋島直正は、佐賀藩諫早家の屋敷内に到遠館を設立。
そこでオランダ人宣教師フルベッキを教師として迎え、蘭学を学んでいた藩士を選抜して教育しました。
さらにフルベッキをサポートしたのが、すでに英語教育を受けていた副島種臣と大隈重信です。二人は教頭格となって後身の指導に当たります。
藩外にも門戸を開放し、最盛時には100名余を擁する大所帯になりました。
フルベッキが教鞭を取ったのは、わずか2年ほどでしたが、しかしその間に明治維新の原動力となった人材が多数生まれました。
到遠館の生徒とフルベッキ
さて、フルベッキ写真という言葉をご存知でしょうか。実は、かつて下の写真に、坂本龍馬や西郷隆盛が写っているという誤報が流れました。
しかし、実際は英語を教えていた生徒達との集合写真だった事が判明しています。
こちらの石碑は、実は早稲田大学の創立120周年を記念して建てられたものです。
教育者・大隈重信の出発点である、致遠館の跡地に記念碑をという事で建てられました。