私財で参宮橋を架けた春吉の豪商
稲光弥平という名前は、地元の博多でもあまり知られていませんが、住吉橋と春吉橋を繋ぐ参宮橋を私費で寄進した、幕末の豪商です。
また現在も、その功績をたたえるべく橋のたもとに記念碑が残されています。
稲光弥平顕彰の碑
実はこの石碑、本人が恥ずかしがって埋めていたものを、掘り出して設置されたそうです。
ただ、せっかくみに来たけどほとんど漢文で読めません。かろうじてお名前と年号は分かりますが。
しかし、ご安心ください。横にちゃんと説明版が設置されています。さらに英語・中国語・韓国語まで。
江戸時代に那珂川は度々氾濫を起こし、その度に橋が流されていたそうです。
藩も度重なる天災による財政難で、なかなか新しい橋を架けてくれません。住民たちは非常に困りました。
そこで立ち上がったのが春吉の豪商・稲光弥平です。川の真ん中に人工島を作り、これまでよりも流されにくい「住吉橋」が完成しました。
稲光弥平はこの功績により、苗字帯刀を藩より許されます。そして私心なき弥平の功績は、現在もこの界隈で語り継がれています。