台湾で尊敬を集める日本人たち
天気が良かったので、ちょっと紅毛港保安堂に行ってきました。
場所は台湾南部の高雄市。医薬の神保生大帝を祀っており、かつて漁業が盛んな紅毛港の漁師らが健康と安全を祈願しており、長らく地元民の信仰あつい寺院です。
高雄の中心地からバスで30分ほど移動しました。
結構、静かな場所に保安堂がありました。高雄市郊外ですね。
立派な建物ですね。はっきりとした創建年代は不明らしいですが、およそ明清時代(14世紀~20世紀)だそうです。かなり幅がありますね。創建後、高雄港の開発に伴い、紅毛港地区の住民の多くが移転を余儀なくされ、保安堂も移ることに。
保生大帝の誕生日である旧暦の3月15日前後には盛大な祭典が執り行われているそうです。
保安堂内部を見渡すと、旧日本海軍の軍艦や将校の写真が。実はこの保安堂には大東亜戦争時に米軍の魚雷により沈められた「第三十八号哨戒艇(蓬)」と艦長の高田又男予備大尉以下、乗組員145人が祀られています。蓬は台湾島の東南東にあるバシー海峡で沈み、乗組員は全員散華したとされており、戦後1946年に紅毛港の漁民が出漁際に、仕掛けた網に人間の頭蓋骨がかかったそうです。不憫に思った漁民は「海府尊神」として祀り続けたところ、大漁が続くことに。その後、1953年に保安堂が建立されました。
あの方も。。。
この記事の写真にある人が映り込んでいるのに、気が付かれた方はいますか。
その人とは、、、
この保安堂には第90・96・97・98代内閣総理大臣の安倍晋三さんの銅像が設置されています。安倍さんの死からわずか2か月後に多くの台湾人の寄付により建てられたそうです。後ろに掲示された幕には「台湾永遠的朋友(台湾の永遠の友人)」と書かれています。日本から遠く離れた場所で、日本人が崇敬を集めていることに、胸が熱くなりました。
頭上の松は安倍さんが熱くないように、植えられたとか。スーツの再現度も高いですね。ブルーリボンバッチもしっかりと描かれています。
顔の表情には特にこだわって、何度も修正したとか。いろんな見方ができる、奥深いものに仕上がっていると思いました。
この銅像は時の祭英文総統が要人警護と同じ扱いをするよう命じたそうで、いまでも警察が巡回しているそうです。台湾の永遠の友という言葉通りの扱いですね。
なぜ、ここに銅像が、、、
これは最初にご紹介した蓬の乗組員の遺骨収集に安倍さんが熱心であったことが関係しているようです。また、安倍さんが銃撃された翌日に献花台が置かれ、数千人が訪れたことも設置に繋がったとか。かつて台湾の研究機関が主催したイベントで「台湾有事は日本有事だ。 すなわち日米同盟の有事でもある。 この認識を習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」と講演し、台湾の人々の熱烈な支持を受けた安倍さん。いまも台湾の人に慕われているのだと感心しました。