不毛の大地を台湾最大の穀倉地帯へと変えたダム

天気が良かったので、ちょっと烏山頭(うさんとう)ダムに行ってきました。
いまから100年ほど前に完成した総貯水容量1億5415万8000立方メートル、有効貯水容量7981万6000立方メートルの巨大ダムです。

台南駅から普通電車に30分ほど、のって、なんとか駅で降り、そこから先はマイクロバスに乗りました。

なんとか駅周辺。ここからバスを待ちます。

このバスに20分ほど乗るとバス停・烏山水庫で下車。

ダム周辺は公園や宿泊施設、キャンプ場などとして整備されています。

園内はとても広いので、すべて見て回りたい場合は時間に余裕を持って来園するのがオススメです。

上空からは緑色の珊瑚のように見えるため、ダム湖は珊瑚湖と呼ばれています。日本統治時代の1920年に着工し、10年後の1930年に完成しました。現在も灌漑、水資源管理、観光地として重要な役割を果しています。

建設を指揮したのは日本人技師・八田與一(1886年2月21日 – 1942年5月8日)。東京帝国大学工科大学卒業後の1910年に台湾総督府に技師として働きました。コンクリートを使わずを積み上げるアースフィル式ダムを採用し、建設当時は世界最大のダムだったそうです。ダムの完成により、安定した水供給が可能となり、嘉南平原は台湾の最大の穀倉地帯となりました。

もちろん良いことばっかりではなく、ダム工事中の事故により多数の尊い命も失われました。事故や病気で亡くなった134人を慰霊したものが殉工碑です。碑には八田の強い主張により台湾人、日本人の区別なく無くなった順に一人一人の名前が刻まれています。

園内には八田の銅像があります。1931年に八田の功績を称えて建立されました。ダム建設の進捗を見守るような姿勢で座っています。銅像建立の話を八田は固辞していたそうですが、有志の熱意に押され「台の上から見下ろしているような像でなければ」と条件を付けて、ようやく了承したそうです。すわった姿勢なのが、おもしろいですよね。銅像の後ろには八田夫妻のお墓があります。

園内には八田邸などが復元されており、八田にまつわる遺品などが展示されています。

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