ちょっと戦争の時代展を見てきました(ともてらす早良)
ともてらす早良で開催中の*戦争の時代展~旧早良郡(現早良区南部・西区南部)」を見てきました。展示は静かな空間に設けられていて、展示物に向き合うと、自然と背筋が伸びるような気持ちになりました。
戦争の現実を5つのテーマで

展示は「祈願」「疎開」「軍需企業」「空襲」「慰霊碑」という5つの視点で構成されています。いずれも旧早良郡(現在の早良区南部・西区南部)で実際にあった話ばかり。何気なく通る道の下にも、こんな歴史があったんだなあと、思わされます。
祈願:戦地へ行かないように

「荒平神社」では、兵役を逃れるための祈願が行われたという証言。戦争が個人の選択をも飲み込んでいたことを物語っています。
疎開:子どもたちの避難生活

福岡師範学校女子部の高学年児童が、脇山小学校に疎開していた記録。住民の縁故疎開によって国民学校の児童数も急増したそうです。「天皇皇后の写真」までも疎開させたという話には、当時の価値観が強く現れていて、衝撃を受けました。
軍需企業:学生も働かされた日々

作家・森崎和江が書いた、旧福岡工業の学校工場での記憶。まだ少女だった彼女の手記には、重くのしかかる「戦時の動員」が刻まれています。また、旧西福岡高女や東入部の出光航機での動員も証言とともに紹介されていました。
空襲:石窯の中の少年

福岡市も例外ではなく、1945年6月19日~20日の空襲で多くの命が失われました。この旧早良郡も被災地域が多数あり、避難生活の様子や、米倉斉加年さんが少年時代に石窯に疎開していた時の記憶を描いた絵本も紹介されています。
慰霊碑:記憶をつなぐ石碑たち

た。私たちが何気なく見過ごしている碑にも、ひとつひとつ、物語があるのだと感じさせられます。
おわりに
「戦争の時代展」は、私たちのすぐ足元にあった「戦争の現実」を、そっと照らしてくれる展示でした。昔の話ではなく、今も語り継ぎ、考えていくべき出来事。静かに展示を見終えた後、自然と空を見上げていました。展示は6月28日(土)まで、ともてらす早良で開催中です。お近くの方はぜひ。