繫華街天神に鳴り響く大鐘楼の鐘
天神の中心部から親不孝通りに抜ける途中にある、安國寺(安国寺)。このお寺は藩祖・黒田長政が、前任地の豊前から移設してきたお寺です。
筑前国続風土記巻之三 安國寺
お寺の由来などかなり長い説明があるのですが、
「如水長政の待遇あつし。然る故朝鮮征伐の時も陣僧となり、長政に随ひ、朝鮮に在陣せり。異邦の人と筆談し、書韓往復のためなるべし」
とあるように、当時の住職が朝鮮出兵にまでつきそって、通訳をした記録が残っています。
そして黒田家からかなりの寄進を受けていたようで、現在も大変立派な本堂が残っています。
こちらの仁王像は、高さ4、2mで、西日本屈指のもの。まさに迫力満点です。
そして、表情もしっかりと阿吽になっていますね。
山門は高さ18、5m、平成になって建て替えれました。
こちらが西日本屈指の大きさを誇る大鐘楼。毎日11時に鐘が鳴らされます。
大変立派な本堂です、しかしふすまがしまっていました。この階段で休憩している人をよくみかけます。
お地蔵様たちが集められた地蔵堂でしょうか?特に説明などもありません。
飴買い(子育て)幽霊の言い伝え
そして、安國寺(安国寺)には飴買い幽霊の言い伝えが残っています。おそらく日本むかしばなしや絵本などで一度は聞いた事があるのではないでしょうか?幽霊の母親が子供の為に毎晩飴を買いにい来るお話ですね。
その飴買い幽霊の舞台がここ安國寺で、本堂の西側にはお墓も残っています。
こちらが飴買い幽霊の墓。横にしがみつくように立っている墓には「童女」と刻まれています。幽霊といっても、怖い印象のないお話ですよね。
この飴買い幽霊のお話は、子育て幽霊など、名前を変えて全国各地に伝わっています。実は中国の怪談を翻訳したものとも言われていますが、真相は分かりません。
帰りは東門から退出しました。
出入りしやすく、近隣の人の休憩所にもなっている安國寺(安国寺)。繁華街・天神なのに、とても開放感のある広い敷地が気持ち良いお寺です。