現存する民家では佐賀県内最古

天気が良かったので、ちょっと吉村家住宅に行ってきました。吉村家住宅がある佐賀市富士町上無津呂地区は山間部です。この地区は直家形式という棟が一直線となった民家が多くあります。

静かな山村。案内板があったのでスムーズに訪れることができました

吉村家住宅は、その中でも付近の民家より、建物規模が大きいです。きっと裕福な農家であったと思われます。現在でも個人が所有されており当然、敷地内では所有者の方が生活されています。1974年には、国の重要文化財に指定されました。

吉村家住宅

古い建物には、建築年月日や施主名、大工の親方の名前などが、完成後には見えない箇所に墨で書かれていたりするのですが、この吉村家住宅にも墨書銘が1972年に発見されました。「天明九歳四月 大工 落合村 羽右衛門」とあったそうです。このことから1789年(天明9年)に建築されたものであることが確認されました。

間取りは東側に土間庭、西側に12畳、4畳、8畳の部屋のほか、細長いナンドと台所があります。

土間庭

老朽化が進んでいたため、1983年~84年にかけて半解体修理が実施されました。工事では傷んだ柱や梁を切り取り新しくつなぎました。屋根の葺き替えは地元の1400束の茅が使われたそうです。