かつての西学問所(甘棠館)跡地に建立されたお社
八橋神社へやってきました。唐人町商店の北側に鎮座されているお稲荷さんです。
こちらの場所は、江戸時代に福岡藩の西学問所(甘棠館)があった場所です。甘棠館は江戸時代に火事で焼失して、藩校は東学問所(修猷館)だけになりました。
現在は神社横に小さな石碑と、福岡市が設置した案内板のみが残ります。ただ、唐人町商店街内に甘棠館シアターという小劇場があり、名前だけはまだ残っています。
さて、八橋神社は天明の頃に伏見稲荷大社より勧請されました。そして明治44年に政府の許可を得て、鳥飼八幡宮境内から現在地に遷座されました。
これはお稲荷さんが、火魔除け、開運、商売繁盛の神様という事で、火事が相次ぐ唐人町の住民が熱心に遷座をお願いしたのでしょう。
八橋神社 社殿
さて、お参りしましょう。こじんまりとしたお社ですが、しかしお稲荷さんらしく鳥居が連立しています。
お稲荷さんのご神徳からか、かつて何度も大きな火災があった時も、唐人町周辺は大事に至らず鎮火されたそうです。
そして、福岡大空襲の際も戦火に遭わずに町が残りました。その結果、火魔除けの神様として今でも地域で大切にされています。
ところで、こちらの神社は珍しい事に、社殿の裏に集会所が設けられていました。
元々は鳥飼八幡宮の境内に鎮座していた為、実は現在も神事は鳥飼八幡宮が執り行っています。