炭鉱王が私財を投じた山水庭園

天気が良かったので、ちょっと西渓公園に行ってきました。

西渓公園は、明治から大正にかけての炭鉱王・高取伊好が、私財を投じて1920年~24年にかけて造園するとともに、公園の隣接地に図書館と公会堂を建設し、当時の多久村に寄贈しました。公園の名前は伊好が号とした西渓からとっています。

公会堂「寒鶯亭」は国の登録文化財に指定されており現在でも、多久市公会堂として使用されています。寒鶯とは冬の鶯のこと。鶯は冬の間だに春に備えて一生懸命笹鳴きをして春に美しい声を出すことから、伊好の「多久の人々に世に出るためこの公会堂で学んでほしい」との願が込められているのだとか。

寒鶯亭
寒鶯亭の側にある日本庭園の装飾「水琴窟」。水滴が琴に似た響きを発します

西渓公園の特徴は南方にそびえる城山を自然の借景とする山水庭園。春は約400本の桜、秋は紅葉、冬は梅の花が見られ、四季折々の風情を楽しめます。

フィルムシミュレーション的な色味、、、なんちゃって

1920年には故郷の教育、文化などの発展のために多額の寄付を行った伊好の寿像が建てられました。等身大の銅像だったようです。しかし、大東亜戦争末期に金属等改修令により、供出されてしまいました。その後、多くの人の浄財により再び銅像が建てられたのは平成23年のことです。

高取伊好の像

伊好が寄贈した図書館は昭和55年に老朽化のために解体され、跡地には歴史民俗資料館と郷土資料館が建っています。